MUSIC2012

去年出た曲を振り返ってみたものの、全然CD買わなかったし、買ったり借りたりしてもレビューできるほど聴き込んでなくて悲しいです。旧譜をたくさん聴いたっけ?でもももクロちゃんにお金使いすぎ&ももクロばっか聴きすぎ説が有力…。

ということで、とりあえずアルバムベスト4!中途半端。笑
 
aikoは中学生の時から大好きなんですけどここ数年はアルバム聴いてもちょっとしか聴かずに放置って感じになってまして、まーわたしの趣味もだいぶ変わってきたからなぁ…と思っていたところでのこのアルバム!素晴らしかったです。
編曲をしてるプロデューサーがずっと同じで全体の雰囲気は大きく変わらないし、曲の構成もほとんど同じだし、もちろんラブソングばかりなんだけど、その条件でずっと良い物を作り続けてるんだよね。わたしが違う人の曲を聴いている間も、aikoは変わらずそこにいてくれたんだなぁと、故郷に帰ってきたような気持ち。

まず一曲目の「Aka」が大好き。落ち着いた三連符ですっとアルバムに入っていける。メロディが最初から最後まで秀逸で、aikoの歌声がすごく活きていると思います。そして”泣いてしまうなんて勿体ない”というフレーズは天才じゃないかと。そう、詞がグッと来るものが多かったなー。ほんとはラブソングは苦手なのでaikoも詞はあまり重視してなかったんだけど、今回は年齢とか状況に関係ない普遍的な、でもaikoらしい個性的なフレーズが多かった気がする。たぶん去年一番聴いた曲だなー。

二曲目「くちびる」。aikoの作曲ってコード進行とかあまり考えていないらしく次が予想できないのが特徴にあると思うんですが、このサビは特に個性的でそれでいて気持よくて、こういうのをリード曲としてテレビで頻繁に披露するって凄いなぁって。”あなたのいない世界にはあたしもいない”ってこのフレーズも良い!シンプルな言葉でこういう詞って一歩間違うと痛い感じになるのに…!

そして三曲目「白い道」!aikoはアレンジが気に入ることってそんなにないけど、このリズムの感じは好みだったなぁ。二番での変化もね。”頷く仕草が好きだった” ”何も知らなかったあの日からあなたを覚えた終わりまで” ”君と僕は似ていると 言われただけで飛び立てたの” …たまりません。
とにかくこの最初の三曲の流れが最高です。
「ずっと」の”あなたに出逢えた事があたしの終わり”というのもすごいし。
「冷たい嘘」の”しかし連絡がないな”って入りは素晴らしいですね。
「雨は止む」はサビの暗すぎず力強さも感じるような絶妙なアンニュイさが好き。新鮮。

アルバム後半はちょっと弱い気もするけど、最後の「自転車」で綺麗にまとまってて好き。失恋の曲だけど、それを受け止めて前を向こうとしている大人な感じと、”こんなに好きな人に出逢えた事は とても大きな出来事”なんてストレートすぎる詞も、アルバム最後には相応しい。
今年はついにライブも行けることになったので本当に楽しみ…!
 

 
2. My Lost City/cero



1stアルバムでハマったceroですが2ndも素晴らしかった!全体の印象としては、前作よりもポップで外に開かれた感じ。パーソナルな印象のあるしっとりした曲が減った分、合唱を入れた曲が何曲かあるのが理由のひとつかな。それと、前作は郊外の街だった物語の舞台が水没した都市になっていて、ファンタジックでかつ生活感もあるような雰囲気は保ちつつも全然違う印象もあって、うーん上手く言えないけど、理想的な二作目という感じ。

特に好きなのは、まず表題曲「マイ・ロスト・シティー」。こういうシリアスな感じの曲は今までなかったと思うので、新しいceroを表題曲として聞かせてくれたのがうれしい。しかもメッセージソング。”ダンスを止めるな!” 風営法問題のことも勿論あると思うけど、もっと幅広い、、反論することを止めるな、もがくことを止めるな、感情を出すことを止めるな、そんな風に聞こえます。ライブだとまたかっこいいんだー!

「大洪水時代」「船上パーティー」はceroにしかできない曲って感じが好きです。BPMや拍子が変わったり。おしゃれです。笑 「大洪水時代」ってタイトルが素晴らしいよなぁ~曲も、特にイントロ、まさにそんな感じだし。”長い雨で東京の街並が海になった 六畳一間は船になった” ”あの娘どこへやら偽物の花を買って海に投げた 中央線がしぶきをあげた” この辺の描写がアルバム全体のイメージになっているな。震災前に作られて元々収録予定だったというのがびっくりで、人によっては嫌悪感を抱くかもしれないけど、この空想と現実の交差…いや、空想の世界にほんの少しリアリティが生まれてしまったと言った方がいいかな。この世界観にわたしはなんだか美しさを感じます。
「船上パーティー」はサビが!気持ち良すぎる!アルバム聴いてて一番テンション上がるなぁ。明るい曲とかBPM速いとかそういうのじゃなくて、うわぁ、大好きだ…!っていうテンションの上がり方です。笑 ”楽しめないだなんてウソっどぅあ~ね”っていう高城くんの歌い方もたまりません。間奏の悪ふざけ感も良い。笑

そして「roof」では1stで好きだったあののかとかターミナルとか「静」のceroが聴けてとっても嬉しい!シンプルで短い詞を際立たせるアレンジで、繰り返されるフレーズにアルバムの中で一度立ち止まって本質的な疑問を突き付けられるような、良いポイントになっていると思う。今回弦が入っているのがこの曲だけみたいなので、印象的ではあったけどもうちょっと聴きたかったなーというのが正直なところ。
「さん!」は一番の名曲だと思いますー。ちまたではCTCの方が人気っぽいけど。いち、に、さん!からイントロに入る瞬間の多幸感!!この合唱レコーディングに参加できなかったことは一生悔やむ…予定さえなければ…。個人的に、□□□が合唱フィーチャーしていたり、これから合唱来ると思っているので(笑)このceroの最新インディーポップに素人臭い合唱が入ってくるというのはすごく腑に落ちるものがあります。”一人残らず宇宙にさらされる日まで かなしみは消えない”なんてことを明るく唄っていたり、多幸感の中にも切なさや儚さを感じるところがとてもイマっぽい。

そして「さん!」で大団円かと思いきや、ラスト「わたしのすがた」がまた格好良い。打ち込み!ラップ!こういう力の抜けた曲で綺麗に締められるのはほんとセンスのかたまりなんだなーと実感する。し、高城くんの声質の良さはceroの宝だなーと。このアルバム全体に対する夢オチみたいな詞だけど、映画のエンドロールで現実に戻っていくようでとっても自然。

「マウンテン・マウンテン」「cloud nine」「Contemporary Tokyo Cruise」は発売前にライブや音源でだいぶ聴いちゃってたので感想は割愛。笑 あ~でもcloud nineは何度聴いてもわくわくできるなぁ。



 
 
3. リトルメロディ/七尾旅人



前作「billion voices」は上質なJ-POPという印象だったんだけど、このアルバムは優しい曲が多くて、派手さは減ったぶん誰がいつの時代聴いても良いと思えるような普遍性があると思う。難しいこと考えずに良いなーって思える。
やっぱり一番はリード曲の「サーカスナイト」。七尾旅人っていうと即興とかのイメージがどうしても強いけど、こういう「普通に良い曲」が歌えることが素晴らしいと思います。”Oh baby 今夜のキスで一生分のこと変えてしまいたいよ” ”Baby 今夜だけ…” なんてこの声で歌われたら良いに決まってるでしょうよー!余裕でテレビ対応のクオリティだと思うんですが、だめなのかなー。今のポジションからは遠いかもしれないけど、こんな曲がMステで流れてたら最高だと思うんだけどな。(本人の意向は存じませんが!) そして旅人とDorianの相性はやっぱり良いですね。
「アブラカダブラ」はU-zhaan(ってGoogleIMEの予測変換に出てきて感激笑)が参加していて、いつもネタ的にやっていた口タブラ(口伝えで練習する時用のもの)が曲の大事な要素として入っている…!これがかっこよくてびっくり。初めて聴いたのはNO NUKESのライブのUSTだったのですが、音源より更に鬼気迫る感じが出ていて素晴らしかった。
「圏内の歌」は、原発の近くに住んでいる人が子どもを想う曲。外部から批判するような他の反原発ソングとは一線を画する、実際にそこで生活する人に逢ったからこその曲。色んな説や考え方がある中でのひとつのリアルが描かれていて、聴くと辛くなってしまうけれど、存在意義の大きい曲だと思います。
「Everything is gone」も「湘南が遠くなっていく」も「七夕の人」も「Memory Lane」も大好き。初夏の海辺とか路地とか農村とか、ちょっと懐かしい切なさがよく出ています。リトルメロディの子どもの声は若干あざとさを感じてしまうけど。笑
インタールード的な短い曲が多すぎるかなというのが気になるけど、これがなくてもバランスを崩して単調なアルバムになる気がするし、微妙なところ。インストでは「銀河を渡る子供たち」がお気に入りです。



 


4. coup d’État/caméra-stylo(カメラ=万年筆)





今年出会ったカメラ=万年筆!これはすごいです推していこうと思います。

そしてこの記事をなかなか書き終わらなかったのはこの人達のせいで、わたしの耳や語彙じゃ全然説明できないし、YouTubeにも動画がなければ試聴できるところもないし、レンタルもないだろうし、公式サイトもあまりにシンプルだし…と思ってたらiTunesにありました。笑 
https://itunes.apple.com/jp/album/coup-detat-other-mix/id509979624

途中でテンポや拍子が変わるのは当たり前、一曲の中で幾つもメロディが出てきてそのメロディも一度しか使わなかったり、バンドの編成とか音の雰囲気?も一曲の中でくるくる変わったり、聴いてて全然構成が掴めないんだけど、でも2~4分でまとまっているのが不思議。
バイオリンやフルートを使っていたり、環境音を入れていたり、コーラスがたくさん入っていたり、男声パートがあったりするのと、あとそれぞれの音を重ねているのかな?プラスリバーブがかかっているというのかな?全体的に独特のふわんとした音で、ミュージカルやオペラ、映画音楽やオーケストラを思い浮かべる。でもポップ。

そしてこういう複雑な音楽を、22歳の大学生二人組が作っているというからびっくり。Radio Sakamotoのオーディションコーナーにノミネートしたり、坂本龍一のトリビュートアルバムにも参加しているとか。バンドマンとかミュージシャンというより「音楽家」という印象。
ボーカルはほとんどがゲストなんですが、主に歌っているマイカ・ルブテちゃんの歌声は澄んでいるのに色気もあってとても良いです。一度ライブを観たときもボーカルで、もう一人MAHOΩのじゅんじゅんさんもゲストボーカルでしたが、マイカちゃんとはまた違う魅力があってとってもよかったなぁ。そして音源は鈴木慶一さんと野宮真貴さんも参加という破格の豪華っぷり。それぞれが曲にぴったりで、野宮真貴さんの「降り止んだ雨には悪意が混じる」は軽やかで気持ち良いし、慶一さんはボーカリストとしては好きじゃないと思っていたのがこの「ホーリーローリーマウンテン」では存在感がハマっていて、当て書きなのかしら?カッコ良いです。



つづく。。