ceroとSMAPとわたし
遅くなりましたが、皆様ありがとうございました…!
スマスマでライブ。
たくさんの人に「おめでとう!」「よかったね!」と言ってもらい、何もしてないのに何か成し遂げたような気分。予告があってから半月くらい、ずっと夢を見ているみたいで、落ち着いたらもうこんなに日が経っちゃってた。
けどceroとSMAPの一番の兼ヲタを自負しているので(笑・でも意外といっぱいいます)、久々にブログにまとめる!
はじまりはここから。
今号のオリスタで、香取慎吾さんが「最近よく聴く音楽はcero」とおっしゃっている…!「『マクベス』がお気に入り。小沢健二やスチャダラパーを彷彿とさせる歌モノで、聴けば聴くほど気に入っている」そうです。
— 彩ちゃん (@aya717) 2015, 10月 24
雑誌のインタビューで香取さんがceroを聴いていることがわかり、びっくり。
しかも、最近の人気曲じゃなく、1stアルバムのマイナー曲(でも静かで壮大で美しい曲です)『マクベス』がお気に入りなんて(笑)
ceroのファンからたくさん反応があって、髙城くんにもRTされて嬉しかったな。
それから2ヶ月ちょっと、今年のceroの仕事始めがスマスマ収録だったらしい。
察せるわけない(笑)
ここだけの話、スマスマ収録したらしいという噂は聞いていたのですが、スマスマのS-LIVEといえば毎回超豪華なセットで国内外の有名アーティストがSMAPとコラボするコーナー、たまにバンドや若手がいてもタイアップなどで売れた曲があるのが当たり前。いくら香取さんがファンで最近ライブ動員も伸ばしているからといって、ceroくらい無名なバンドが出たことなんて聞いたことがなくて(笑)
でもね、不思議なことがあるものです。
所属レーベル、カクバリズムのニュースもアツい。角張さん最高。
時が江戸時代だったら・・・(笑)、号外を空に巻き、騒ぎ立てながら街中を走って
いたかもしれませんね(笑)。そうです!そうです!cero、SMAPxSMAP、通称スマスマのS-LIVEというコーナーに
出演でございます。わい!わい!わい!
cero、テレビには過去色々出演させてもらってますが、地上波で演奏ってのは
実は初でして、その地上波での初演奏がceroもカクバリズムスタッフも大好きな
SMAPと一緒ということで、嬉しい限りです!!!FLY(関係ないです)!!!(中略)
''Summer Soul''を演奏してます!これがまたSMAPとの相性ぴったりでして・・・とても
素敵な演奏になったと思います!カクバリズム ニュース:cero、3月7日放送のSMAPxSMAPに出演!!!S-LIVEに初登場です!オオッット!!!!
どちらも好きな身としては相性は絶対良いとは思っていたのですが、どちらのファンにもここまで大好評なのが予想外で、すっごく嬉しかったです。
最近のceroの曲は、ラップというか、喋るように歌う曲が多くて難しいので心配していましたが、杞憂でしたね。SMAPも昔からラップ曲多くてみんな結構上手いし、『星空の下で』みたいなスローテンポの曲も歌いこなしてる。特に木村さんが歌うと一瞬で自分の曲みたいになってて、すごいなぁと。
それに、Summer Soulのリズムじゃ踊れないだろうなと思っていたけど、半分フリーな感じで、フリが付いているところも意外と違和感がなくて、何より大好きな人達の曲でSMAPが踊ってくれているのがとっても嬉しかった。
それから、ちゃんと2組対等な「コラボ」になっていたのがすごくよかった。白にグリーンのセットにいる白い衣装のceroの元に、SMAPが外から入っていくところなんて、主役はちゃんとceroだけどSMAPはそれだけで格好良かったりして、素敵でした。
そして、これは誰の曲をやってもだけど、どんなジャンルの曲でも、そんなに派手じゃない曲でも、SMAPがユニゾンで歌えば一気にポップネスを得てSMAPの曲になるのが素晴らしい。先にceroくらい無名なバンド出てるの見たことない、とは言いましたが、SMAPは昔から色んな方とコラボしているし、有名ですが楽曲提供は知名度やジャンルに関わらず幅広い方が手がけています。
小沢健二がサブカルチャー側からメインストリームへの風穴を開けた存在だとしたら、メインストリーム側からサブカルチャーへの風穴を開けたのはSMAPだった。
−宇野維正『1988年の宇多田ヒカル』より
という評にはすごく納得。ここ2年だけでも、MIYAVIやゲスの極み乙女、椎名林檎、LEO IMAI、SALU、tofubeats、Koji Nakamura、凛として時雨など。過去にはサカナクション、電気グルーヴ、中田ヤスタカ、相対性理論、もっと遡ると、FISHMANSやKIRINJI、忌野清志郎なんかも。
かつて木村さんは謙遜するように「自分たちは作品を世の中に届ける役割」というようなことを言っていた記憶があるのですが、色んな方に楽曲提供されて、スマスマという場で毎週ゲストの歌とオリジナルの振付を覚えて一流ミュージシャンと向き合ってきた彼らは、そんなにネガティブなニュアンスではなく、日本の音楽界で立派にその役割を担っていると思うのです。
バラバラの歌声ゆえに合わさると素晴らしいユニゾンと、上手くはなくてもしっかり感情を込めることのできる表現力が彼らの武器で、その歌声があればどんな曲もスタンダードなJ-POPになる。どんどん色んな方と組むことで、彼ら自身の器を大きくするのに伴って、相手の格を上げることにも貢献してきた。
そしてそんなSMAPをスマスマスタッフが信頼しているからこそ、ceroとのコラボが実現したのではないかと思います。SMAPと一緒なら無名なバンドもちゃんとテレビ出演に相応しい存在に見える、知られていない曲もお茶の間に届く。ゲストを立てるバランス感覚も全員が持っている。そして、ゲストの知名度に頼らなくても番組が作れるというスタッフの自信や余裕と。きっとceroとやれば面白くなる、とスタッフが直感を信じてくれたんじゃないかと思う。良い番組です。
SMAPのファンは、90年代のSMAP曲や、2000年代前半のSMAP曲を例に出しながら、SMAPとの親和性の高さにとにかく「楽曲提供して欲しい!」という声が多かった。
最近のSMAPは椎名林檎提供の『華麗なる逆襲』やMIYAVI提供の『Top of the World』『Otherside』など、強くて格好良いイメージの曲が多かったので、このタイミングで敢えて『freebird』や『セロリ』のみたいに力の抜けた曲があるといいなぁという方も居て、すごく良いアイデアだと思いました。是非!
ceroのファン目線で言うと、後ろの4人はファンにはお馴染みのサポートメンバーなのですが、薄い顔のメンバーに対して個性的な顔と髪型揃いなので愛着を持って「妖怪たち」とか言われてまして(笑) その妖怪たちがセットの大量の柱で絶妙に隠されていたのがすっごく面白かったです。でもなぜかドラムの光永さんだけ抜かれるという。ちゃんとこの7人で出れてよかったなぁ。
それからエンドトーク。
元々本放送ではカットされてしまうことも多くて、星野源あたりからちょっと長くなったような気がしたんだけど解散騒動後またほとんど流れなくなってしまっていたので、まず放送があったことが本当に嬉しかった。ここはちょっと箇条書きで私的興奮ポイントを。
- 中居さんがよく言う「誰ですか?」に食い気味で「ですよね!」って応える髙城くん
- 「香取さんがceroがいいって言ってくださったことがあったみたいで」と言われて無言の香取さんが、ほんとにファンなんだろうなという感じ
- 稲垣さんが「90年代の音楽、渋谷系みたいな、コーネリアスさんとかオリジナルラブさんとか」(さり気なく香取さんも「シティポップとかね」と)「この雰囲気はすごく好き」とコメントしてくれたのがすっごく嬉しかった!FISHMANSが好きで佐藤さんに曲提供してもらっていたり、ライブでCardigansのカバーを歌っていたりする、音楽好きな稲垣さんは絶対に好きだろうと以前から思っていたので、こんな形で感想を聞けるなんて。
- それを受けて中居さんの「(稲垣さんは)好きだよね、どっちかっていうと湘南乃風みたいのが苦手で」に対して笑うだけの稲垣さん。これ、別に湘南乃風を貶している感じにもなっていないのがすごいなと思った。確かに吾郎ちゃん苦手そうだ〜って、視聴者みんな納得しそうなの、すごいキャラ立ち。
- そうやって、「誰ですか?」という中居さん、ファンだという香取さん、(おそらく)知らなかったけど好きだという稲垣さんがいるバランスがすごくSMAPらしくて良いなぁと思った。ゲストを立てつつ、視聴者も必ず誰かに共感できて置いてけぼりにならない。
- そして中居・木村の文化祭エピソード…!これはむかーし木村さんがラジオで話していたそうなのですが、中居さんもいる時に話すのは初めてじゃないかな。「文化祭でファンの女の子が集まりすぎて、(先輩に目をつけられたため)二人で2階の教室の窓から逃げた」という、「漫画みたい!」とファンが言っていたエピソードを本人たちの口から「青春って感じ?」「漫画みたいでしょ」と。そして下を向いて照れるリアクションが同じ。。
この二人が高校の同級生同じクラス隣の席で同じバスケ部、一緒に合格発表を見に行ったりクリスマスに逆ナンされに原宿に出たりダブルデートしたり二人で車移動する時に聴くカセットテープを中居さんが毎回作ってきたり…という仲なのはファンになってみんなびっくりするところ(気になったかたら「つとぷ」で検索してね)
…と、脱線しましたが、ファンにはたまらないエピソードなので、スマスマ準レギュラーになってもっと色々聞いて欲しい!という方や、これを聞いてくれた感謝の気持ちでceroのCD買う!という方もいるくらいでした(笑・もちろん曲も気に入ってくれたんだと思うけど) - 最後、「ハッカー集団に見えてきた」と言われてちょける橋本くんの可愛さ…!
ところで、Twitterではちょこちょこアピールしていましたが、ceroは過去に何度もSMAPに言及しています。
ceroあらぴ、SMAP/しようよについて「聴いた当時、自分も大人になったらこういう恋愛をするんだろうと思っていたけど、大人になって改めて聴いてもまた同じ感想であこがれを持つ。じいちゃんになってもきっとそう。優れたポップスとはそういうもの」 #ナイドリ
— 彩ちゃん (@aya717) 2015年3月31日
つづき「まばゆいよね、宝石のようなポップス。神様が授けたような曲だよね」「こないだスタジオライブの動画観たけどほんとかっこいいね!思わず泣けてきて」「90年代のSMAPの曲って本当によく出来てて、解析したいんだけどどの曲も良すぎてやる気が失せるっていう」 #ナイドリ
— 彩ちゃん (@aya717) 2015年3月31日
これは毎週月曜24:30〜inter fmで放送中のceroのラジオでの発言。このラジオは毎回3人が一曲ずつ選曲する番組で、この時は「深夜のドライブ〜Spring Collection〜」がテーマだったんですが、まぁ番組自体がドライブをテーマとしているのでほとんどフリー(笑)でも、大体私の知らない海外ミュージシャンの曲が選曲されることが多いので、この日は驚きました。
キーボードの荒内くんは若い時の稲垣さんに雰囲気が似てるなぁと勝手に思っているんですが、曲の解説が上手なところもその理由のひとつで、この時もすごく素敵な紹介だったので印象に残っています。
ボーカル髙城くんは「SMAP 逸話」で検索して暇をつぶしているらしい。それで文化祭エピソードを知っていたんですね。あとは、いつかのCOUNTDOWN JAPANのMCで橋本くんが来年の抱負を「TOKIOと対バンしたい」と言って、髙城くんはSMAPが良いと言っていたとか。
キムタクの「格好いい」というコンプレックスをバネに何でもまじめに取り組んでく姿最高にかっこいい
— 橋本翼 (@windows_kun) 2014年7月27日
ギター橋本くんはこんな発言も。何気ないツイートだけど、木村さんの本質を突いたような言葉でファンとして嬉しい。インタビューで「昨日SMAPのベスト聴いてて」って話していたことも。
昨年の「TOKYO M.A.P.S.」というイベントに出演した際には、なぜか髙城くんが「TOKYO SMAP」と言い間違えたのですがそれを気に入り、「TOKYO SMAPは俺たちだ!…芋臭いSMAPだなぁ」と言ったり、メンバー紹介を「サックス・パーカッション、木村拓哉!」と言ってみたり、曲紹介で「俺たちに明日はある。Yellow Magus!」と言ったりしていて、ひとり喜んでました。
その後、メンバーや関係者界隈でしばらくその言い方が流行ってTwitterで自称してたり、橋本くんが自分のサインに「TOKYO SMAP」って書いてたなんてこともありました。
そしてこちら。
デビュー前の映像だし、いつもと全然違うアレンジでコントみたいなステージなのですが、後半のオリジナル曲「なんだかんだ言っても」が明らかにSMAPのパロディ。歌って踊ってます(笑)
ドラムは元メンバーの柳くんなのですが、彼はイラストレーターとしての仕事が多忙になったため脱退、村上龍の装丁を手掛けているなど活躍していますが、今もceroのアートワークに関わったりしています。ラジオで彼のことを「ceroの“森くん”」と言ったことも。
ceroのファンはcero自身がSMAPを好きなことを知っていたし、スマスマに出れるだけでびっくりということもあって、みんな楽しく観ていたと思います。
SMAPのファンは毎週のことだし基本的にコラボ相手に好意的なのですが、曲自体が良かったことやトークの内容に加えて、ceroのファンも好意的に観ていたことがとても嬉しかったみたいで、すごく良い雰囲気でした。普段は「SMAPいらない」って言われること多いからね(笑)
そんなことも含めて、とっても幸せな時間でした。
最後に、これが本当は一番言いたかったのですが、90年代にジャズ・フュージョン系の海外ミュージシャンを起用し贅沢な楽曲作りをしていたSMAPの音楽性は、最近「exotica(ceroのe)」というよりブラックミュージックに傾倒している*1ceroととても近いものがあるのです。
そもそも私がSMAPを好きになったきっかけのひとつは、ceroが新しい編成で方向性を変え、『Yellow Magus』を披露した時の第一印象が「昔のSMAPのアルバムにありそう!」と感じたこと、よく読んでいるヒコさんのブログでもSMAPについて言及されていて、おすすめされていた『SMAP 007〜Gold Singer〜』を聴いたらすごく格好良かったというのがあります。この頃から一部のceroファンはceroのことを「インディー界のSMAP」と呼んでいたり、いなかったり。
というわけで、cero好きな方は絶っっ対気に入るので、90年代後半のアルバム、具体的には006〜012(アルバムのナンバリング)をぜひ聴いてみて欲しいです。アイドルのアルバムなのに、ドラムとかホーン・セクションとか笑えるほどかっこいいです。そこに若くて爽やかな男子の声が乗るのがJ-POPの良さですね。普通のちょっと冴えない男が描かれる歌詞も大好きです。
特にオススメなのはこちら。
- アーティスト: SMAP
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SMAPの音楽性を語る際に必ず挙げられる名盤。
『しようよ』『KANSHAして』『たぶんオーライ』収録。いかにもなアイドルソングがほとんどない、クールな感じなので、音楽好きにこそ聴いて欲しい。
『007』と並んで大好きなアルバム。FISHMANS佐藤伸治提供の稲垣吾郎ソロ、忌野清志郎提供の木村拓哉ソロ収録。ナイル・ロジャース提供曲があるかと思えば、香取慎吾・中居正広ソロはそれぞれ本人作のラップだったり。そして私がSMAPで好きな曲ベスト5には入る隠れた人気曲『Hi-Fi』も聴いて欲しい。ロックを中心にバラエティに富んでいるけど、捨て曲なしのSMAPらしいアルバム。
あとは普通にベストも良いし、『008』や『012』も大好きだし、2000年代以降も各アルバムに必ず大好きな曲があるし、最新アルバムも最高だし…キリがないですね。
スマヲタはceroたくさん買ってくれたので、ceroギャルはSMAP聴きましょう。
この2曲もSMAPと一緒に歌うところ観たかったなぁ。
cero / Orphans【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
幅広い人に伝わる曲だと思うし、聴けば聴くほど好きになる曲。
別の世界では2人は姉弟だったのかもね
クラスメイトと逃避行する曲です。
cero / Yellow Magus【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
先に書いた、初めて聴いた時にSMAPっぽいと思った曲。今聴くとなんでかよくわからないけど(笑)
ぜひぜひ聴いてね!
そして、ライブは頻繁にアレンジが変わっていくので、機会があれば足を運んでみてね。
願ってもいなかった夢が叶ってしまったので、どうかまた、「次」の夢が叶いますように。