SMAP解散とマイケル・ジャクソン裁判

最近はTwitterではSMAPの話しかしていませんが、私はマイケル・ジャクソンも大好きです。

と言っても、彼のパフォーマンスのかっこよさを知ったのは亡くなる少し前のことで、本格的に音源を聴き始めたのは亡くなってから。

それまでは、あまり興味がなかったし、なんとなくスキャンダルの多い人というイメージだった。亡くなってからの再評価でどう変わっているか分かりませんが、20代後半以上の人はそういう人が結構多いんじゃないでしょうか。

 

マイケルは2003〜2005年頃、少年への性的虐待など10の罪に問われ、大きく報じられました。しかし、その全てで無罪になっています。

マイケル・ジャクソン裁判」という書籍に裁判の内容が詳しく書かれていますが、“結果的に”無罪だったというだけではなく、マイケルに疑わしいことは何もなく、起訴自体がおかしなことでした。でもそれを知る人は多くありません。

ちなみに、訴訟大国のアメリカで、マイケルは金銭目的で生涯1000回以上訴えられましたが、一度も有罪になっていません。この疑惑も本来その一つに過ぎないはずでした。

 

このスキャンダルが騒ぎになったのは、いくつか理由があります。

マイケルが収益を寄付することを条件に珍しく私生活の撮影を許可したテレビ番組が、マイケルに悪いイメージを与えるような編集をして放送したこと。

1993年に似たような訴訟があった際、マイケル側が仕事を優先するために慰謝料を払い裁判に至らなかったことで、検事であるトム・スネドンが逆恨みをしており、無理に立件したこと。

そしてマスコミがヒートアップして、あることないこと報道したこと。

 

でも無罪になったことはあまり大きく報道されませんでした。スキャンダラスに報じ、マイケルの名誉を傷つけたマスコミは、その謝罪や訂正すら行っていないと思います。

そして、マイケルの死後、そんなことはなかったかのように功績を讃えました。

 

もう一つ、マイケルが肌を漂白していた、白人のようになろうとしたという疑惑があります。

これは尋常性白斑という病気であり、裁判の際や死後の司法解剖によって証明されています。若いころは白斑を黒いファンデーションで隠し、隠しきれなくなって白いファンデーションを塗るようになりました。

顔の整形については本人も認めていますが、これは幼少期に父親の虐待でデカ鼻だと罵られていたことによる精神的な要因や、骨折したことによる手術、CM撮影の際の火傷なども絡んでいると考えられます。肌の病気と相まって白人になりたかったと思われることになったのは、非常に不幸だったと思います。

マイケル・ジャクソンが人種差別に強い憤りを感じており、黒人であることに誇りを持っているのは、作品を観ればすぐに分かることです。

 

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Michael Jackson-Black or white(Panther dance)

Black or Whiteの、明るい曲調で様々な国の人が登場するShort Filmは観たことがある人も多いと思いますが、これには続きがあります。パンサーパートと呼ばれる無音でのマイケルのソロダンスで人種差別への怒りを表しており、差別主義団体の名前や差別用語の落書きが出てきます。効果音のみでのダンスは中居さんをはじめ色んなアーティストが真似していると思います。

 

最近のSMAPに関する報道を見ていると、マイケルのことを思い出します。

私が彼らを好きな理由は色々ありますが、共通しているのは「スターであることに自覚的」だということです。

それはコンサートでの自己演出の上手さや、積極的な慈善活動に現れています。ただそれは自己評価が高かったり驕ってはいるのとは違い、実際には謙虚で努力家の方達です。

 

しかし、これには落とし穴があり、マイケル・ジャクソンが多くの人に誤解されたのは、自己演出が上手いがゆえに本当の彼を知る人が少なかったからではないかと考えています。

SMAPに関してはバラエティなどで素の部分もかなり見せてきたと思いますが、それでもグループや個人へのイメージは固定化されているように感じます。特に、木村拓哉へのバッシングは、CMやドラマでしか知らない人による、間違ったイメージによるものです。

 

そしてメディアはお金になれば根拠の無いことを平気で報じます。一度であれば誰もが嘘じゃないかと疑うようなことも、イメージの上に積み重なることで真実は見えなくなっていきます。今回はジャニーズ事務所自体がリークしていると思われるので特に厄介です。でも私の知る限り、今流れている不仲説はどれも「関係者」による信憑性のないものや矛盾しているもの、映像やエピソードの一部を切り取ったものばかりです。

 

40代のグループの解散理由が「不仲」だなんて、笑いそうになりますが、まぁ私も本当のことは分かりません。良いことばかりじゃないでしょう。でもテレビ局が低俗な週刊誌のネタを検証もせずに流していること、ジャニーズ事務所側の問題点には触れないこと、テレビ界に多大なる貢献をしてきた彼らを擁護する様子もないことは非常に不愉快ですし、許せません。

最後に紅白に出演か、なんて言われているようですが、華々しいステージでの解散だったと、いま叩いているメディアが手のひらを返して彼らの功績を称えるかと思うとゾッとします。考えたくもないですが、メンバーの誰かが亡くなるときにはすっかり今の騒動はなかったことにして、自社のアーカイブ映像をたっぷり流すのでしょう。

 

マイケル・ジャクソン裁判によって、マイケルの名誉は傷つけられました。それだけでなく、この裁判に長い時間がかかり、精神的・肉体的に疲弊し、音楽活動が妨げられました。マイケルの死の原因は不眠症による麻酔薬の使用でしたが、この裁判のストレスがなければ違っていたのではないかと思います。音楽界にとって大きすぎる損失です。

 

SMAPはここ数年、00年代の売れ線を脱皮して、椎名林檎やMIYAVIなどジャンルやキャリアにこだわらない提供陣で攻めた音楽活動をしていました。また、東日本大震災に関連する活動や、27時間テレビや5人旅での注目、パラリンピックのサポーターなど、加齢も武器にしてまた新しいアイドル像を更新し、個人的には何度目かのピークを迎えていたと思っています。

今年は特に、次は“56”枚目ということで稲垣さんをフィーチャーしたシングルになるのではないかと期待し、2年に1度のライブイヤーということで、スマスマのS-LIVEで共演した岡村靖幸星野源cero、リミックス等で提供していたtofubeatsの参加したアルバムが出るのではないかと期待し、振付や世界観がかっこいい昨年リリースの『華麗なる逆襲』や『Otherside』がライブで観られることを期待していました。

更に言うと、スマスマは今年の4月で20周年ということで昨年からスタッフが盛り上げようとしていましたし、デビュー25周年の特番も本来ならあったでしょう。

そういうあったはずの未来が奪われつつあることが一番悲しいです。事務所内での地位だとか、オリンピック利権だとか、どうでも良いんだよ・・・・・・

 

どうしたいのか、どうするべきなのか、何が真実なのか、分からないことばかりだけど、マイケルと同じことを繰り返したくないし、繰り返させたくないという気持ちは強いです。時代は変わっていて、少しは良い世の中になったのだと信じたい。同じ悲劇を黙って見ていると後悔することはわかっている。

 

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 ※マイケル・ジャクソンについては軽く確認しましたが、調べたのはかなり前なので間違っているところあったらすみませんご指摘ください…