私のSMAPベスト50曲(1)1991〜2000
SMAPのCDデビュー25周年記念ベストアルバム『SMAP 25 YEARS』とMV集『Clip! Smap! コンプリートシングルス』が発売されます。
ベストアルバムは「みんなで決める!みんなのベストアルバム。」ということで、200万近くの投票から上位50曲が収録されます。収録は発売順ですが、ランキングも発表されて、思った以上にファンの想いが反映された順位に驚いています。
1位の『STAY』は、以前から人気の曲でしたが、特に今年はファンのテーマソングのようになっていました。2016年が始まってすぐ、毎年恒例のCDTV年越しライブで歌われたこの曲は
「どうか道の途中で手を離そうとしないでよ」
「永遠なんて言わないからさ 5、60年それだけでいい」
という歌詞が印象的なバラード。中居さんが10年前のアルバム曲を選曲したことに、意味がないとは思えませんでした。私の知る限り投票の呼びかけもなかったので、純粋にみんなが選んだ結果この曲が1位になったというのがすごいです。
それから、8位は『チョモランマの唄』。これはライブのジャンクション映像用の短い曲で、未音源化、つまり投票ページに選択肢はなく、自由入力するしかありませんでした。Twitterで呼びかけながら諦めず投票したファンもすごいですが、自由欄を設けて集計してくれたビクターさんもすごい。
「あなたが喜ぶならば僕のテンションチョモランマ」
って変な歌詞ですが、それぞれの人生のことであり、SMAPのことであり、とても元気の出る曲です。
この2曲の順位にはファンの「執念」を感じました(笑)
ファン以外には馴染みのない曲も多いですが、シングルに偏りすぎることもなく、マニアックすぎることもなく、結構バランスが取れたアルバムになっていると思います。ファンのセンスを信じて、初めてSMAPのCDを手に取る方が多くいれば良いなぁ。
さて本題。
私も50曲選びました。私がSMAPのベストアルバムをプロデュースするならこんな感じ、ということで。代表曲や重要曲も入れつつ、私の大好きなかっこいいアルバム曲をたくさん選びました。年代や曲調も偏りすぎないようにしたつもり。メンバーのソロも1曲ずつ。
半分以上書いてから気付いたけど50曲に全部コメントするとすごく長いですね!悪あがきで前後編に分けてみました。
まずは2000年まで。94年〜98年くらいは海外ミュージシャンを起用した素晴らしい演奏がたくさん聴けるので、音楽好きに是非聴いてみてほしい。一応選んだものの、全体のクオリティが高すぎて、とにかく全部聴いて!と元も子もないことを言いたくなります。
1991〜1995
Can't Stop!!-LOVING- 1991
1stシングル
デビュー曲。急に「きらきら星」が入ってきたり、昔のアイドルソングという感じが強いですが、
「君をしあわせにする僕はここにいるよ」
という詞はSMAPを象徴していると思います。物心ついた頃からずーっとそこにいてくれました。解散報道が出た1月13日、朝は笑って流していましたが事務所のFAXに大きな違和感と不安を感じ、いてもたっても居られず買いに行った曲。
BEST FRIEND 1992
4thシングル『負けるなBaby!〜Never give up』カップリング
SMAP史上最も売れなかった『負けるなBaby!〜Naver give up』のカップリング曲で、2013年のスマスマ5人旅で中居さんが号泣した曲。森くん脱退の時に歌った曲、稲垣さんが復帰した時に歌った曲。SMAP史において外せない、とても優しい曲。
雪が降ってきた(アルバム・バージョン)1992
アルバム『SMAP 004 』収録(6thシングル)
曲調は若いけど、バラードバージョンで昨年末にも歌番組で披露していたり、全く色褪せない、切ない歌詞が素敵。そして、このアルバムバージョンの冒頭、外国人男性の「ワン・ツー・スリー・フォーヒー!」でリズミカルに始まるのが好き。
$10 1993
ベストアルバム『Wool』収録版(10thシングル)
元気で明るいアイドルを脱するきっかけとなった、文句なしにかっこいい曲。森くんの「I WANT YOU,LADY その気にさせるんだ」の歌い方がセクシーで、聴く度に恋に落ちます。元々は林田健司さんのカバーで、森くんが選曲したそうです。
オリジナルスマイル 1994
13thシングル
落ち込んだときは明るい曲が聴けなかったりするものだけど、この曲はそんなレベルを超えたずっと上の方からグイッと引っ張り上げてくれる。
「笑顔抱きしめ悲しみすべて街の中から消してしまえ」
初期の曲なのに、SMAPが“国民的アイドル”として大きな存在になっていったり、震災を経験したり、時が経って披露する度に輝きを増していく不思議な曲だと思います。まだファンになる前に歌番組を観た時にこの曲を聴いて号泣したのを覚えています。
しようよ 1995
ベストアルバム『Wool』収録版(17thシングル)
SMAPで2番目に好きです。かっこよくて切なくて優しくて、完璧。
「今すぐに最初から始めてみよう きっと簡単さ」
「目を見ればわかるなんてちゃんと言わなきゃわからない 君がいなきゃ寂しい」
なんでもないんだけど、身に沁みます。SMAPの詞に出てくる男性像って完璧じゃないんだけどいつも誠実で素敵だ。
平熱なサビからCメロで最高潮に盛り上がって、その後にAメロで落ち着いて終わる構成が天才的にかっこいいです。『Wool』に収録されているバージョンが好きなんですが、神保彰さんのドラムと、サックスソロが完全にアイドル曲のアレンジを逸脱していて笑っちゃうほどかっこいいです。
どんないいこと 1995
アルバム『SMAP 008 TACOMAX』収録版(18thシングル)
「空がだんだん曇ってきた 雨が今にも降りそう バスがちょっと遅れてる 時計の針は過ぎてく」
で叙情的に始まる1番が素敵なのですが、2番で
「雨が少し降り出した みんな家路を急いでる 次のバスがやってきて荷物と重たい気持ちが乗った」
で時間経過を表しつつ、最初のメロディが少し変わっているところがめちゃくちゃお洒落だと思います。
『Smap Vest』(おそらくシングルも)だと打ち込みらしきドラムがオリジナルアルバム『SMAP 008 TACOMAX』だとオマー・ハキムで、最初の入りが気持ち良くて好きです。『Wool』でもまた少し違うアレンジだったり、90年代のSMAPはこういうところが頭おかしくて楽しいです。特にバージョン違いの説明はないのに。
私もそんなに聞き分けられていませんが、基本的にベストアルバム『Wool』*1と『Cool』は生音のパートが増えていたり演奏が楽しめるものが多くておすすめ。
雨がやまない 1995
アルバム『SMAP 007〜Gold Singer』収録
木村さんと森くん2人の曲。サビが掛け合いのようになっていて、“歌えない”SMAPの歌唱担当(昔はこの2人しかソロパートがなかったとか)2人の歌声が堪能できます。初デートなのに雨で計画が台無しになったというひたすら悲しくなる歌詞でちょっと面白いんですが、当時22〜23歳ながら色気たっぷりに世界観を作っています。
俺たちに明日はある 1995
アルバム『SMAP 008 TACOMAX』収録版(19thシングル)
一番好きな曲、というか、人生で初めて好きだと思った記憶のある曲。当時7歳かな、この曲で
「時代遅れのオンボロに乗り込んでいるのさ」
「薔薇の花束が似合うのもいるのさ だけど似合わない」
と、己の格好悪さを許容して前を向く格好良さを知ったのです。それから20年経って彼らのファンになっているとはびっくりだけど、普通の感覚を持ちながら目の前のことを愚直に取り組む姿を魅力的に思う気持ちは、この曲を聴いたときから変わっていないな。
シングルではギターリフのイントロがアルバムではドラムで始まっていて、どちらも捨てがたいんだけど最後木村さんの「Yeah」は必要なのでアルバムの方で(笑)
1996〜2000
胸さわぎを頼むよ 1996
アルバム『SMAP 008 TACOMAX』収録版(20thシングル)
『俺たちに明日はある』をなぜ最初に好きになった記憶があるかというと、冠番組のエンディングが新曲のこれに変わった時に嫌だったのを覚えているからです。大人向けの曲でよくわからないなって。アイドルソングなのにね。そして今大人になり、この曲の良さがわかるようになりました。
「恋心は嘆くかい お互いは別の生き物だね 同じならば惹かれない Only You 謎だらけで切ない」
別の生き物と一度突き放しておいて、同じならば惹かれないと続くツンデレっぷりが素晴らしいです。当時の彼らは今の私より年下だ。
シャンプー3つ 1996
アルバム『SMAP 009』収録
ちょっと間抜けなシンセにキレッキレのホーン隊にタイトなドラム、「嫌なことがあった日は帰ってシャンプーする」って内容の変な歌詞、これこそアイドルの贅沢。
最後、突然ブラスバンド風のコミカルな間奏が入って、その後また急にロック調に変わって一番盛り上がって終わる、特殊な構成もキマってます。
SHAKE 1996
23thシングル
「チョベリベリ最高ヒッピハッピシェイク」
ってサビの曲が20年経っても色褪せていない奇跡。彼らの代表曲は、
「明日は休みだ仕事もない 早起きなんかしなくてもいい 君と昼まで眠れそう」
という、普通の人の、みんなの曲なのだ。
色んな方が出演する歌番組で、SHAKEのイントロが流れた瞬間一気に空気が変わるあの感じが大好きです。
ココニイルコト 1997
アルバム『SMAP 011 ス』収録
スガシカオさん提供の、木村さんと香取さんのユニット曲。この二人の曲は『裏スマ』に収録された『ひと駅歩こう』も良いし、意外としっとりとした曲が多くてどれも人気がある。これもフォークっぽい静かな曲で、5人の楽曲では聴けないような優しい歌が際立っているし、大サビで盛り上げるところのギャップも良いです。
俺様クレイジーマン 1997
アルバム『SMAP 011 ス』収録
香取さんのソロ曲で一番好きなのがこれ。自身で作詞したラップ曲です。当時20歳かな、勢い重視で若者の叫びみたいな曲なんだけど、色々悩みながらも
「自分の道まっすぐすすめばバカでもいいってわらってやろうぜ」
「かこなんてオレにはない みらいをそうぞうしてニヤついてしまう」
と歌い自虐的に「クレイジーマン」を自称できる香取さんはやっぱり強い人で、徹底的にエンターテイナーだ。そしてやっぱりラップが上手い。高速ラップの最後、
「わらえるっていいことだね なけるっていいことだね 生きてるってオレ…」
と息が続かなくなったNGテイクを使っているのが聞きどころ。
それはただの気分さ 1997
アルバム『SMAP 011 ス』収録
稲垣さんのソロは、自身がファンということで依頼したFISHMANSの佐藤伸治さん提供で、演奏もFISHMANS。雰囲気重視のアンニュイな曲で、本家の方が全然ポップだぞと思うくらいなのですが、これが稲垣さんにぴったりなのです。ファルセットで半分くらいは「Uh」とか「Ah」とか言ってるSMAP史上に残る問題作(笑)ですが、
「君が一番疲れた顔が見たい」
って本当に素敵なラブソングだと思います。
この曲をスタジアムコンサートでエレキギター弾きながらやりきる稲垣さんはすごい。
Hi-Fi 1997
アルバム『SMAP 011 ス』収録
「静まり返った夜の街 アンテナ頼りに走り出そう」
という詞の通り、アレンジや歌の雰囲気も夜のお喋りといたずらのようで、SMAPのアルバム曲で一番かっこいいと思っています。
若者らしい(そしてアイドルソングらしさはない)脱力感がありながら、それはしっかりとした計算で作られているんだなということも伝わってくる。ホーンと鍵盤とギターのちょうど良いバランス、全体を締めるドラムとベースが気持ち良いです。それでいて、この曲のキモはサビの「気分はHi-Fi」の「き」の入り方、彼らの歌なのだ。
夜空ノムコウ 1998
27thシングル
大人になってから良さに気付き、以来聴く度に涙が出そうなくらい心に染み渡ってくる曲です。その気持ちは自分の情けなさに依るところが大きく、決して良いものではないのだけど、どうにもならない感情を夜空にふわっと浄化してくれるこの曲の存在にとても救われている。
たいせつ 1998
28thシングル
これも年々好きになる曲。ゴキゲンなコーラスとベースラインに乗せてとびきり明るく歌われるのは
「みんなひとりなんだ不安なんだ愛が支えなんだ」
「たぶん言葉よりも分かり合える 君の眼は宝石」
「真実は人の住む街角にある」
という、半径5mで感じることのできるしっかりと地に足の着いたしあわせであり、大人の2人のたしかな関係。
「誰とも似ていたくないずっと前の僕じゃなくて良かったよ」
という一節は、『世界に一つだけの花』と相反するようで、それを越えた景色にも感じる。
Possession Possession 1998
アルバム『SMAP 012〜VIVA AMIGOS!』収録
SMAPの中で最もファンキーでかっこいい曲のひとつ。ソロパートは稲垣さんと木村さんだけで、アンニュイな稲垣さんのAメロと男らしく色っぽい木村さんのBメロの対比が素晴らしいです。彼らの歌声のギャップがあって成立している曲。アウトロのサックスソロがかっこよすぎて笑っちゃうのでそこだけでも聴いて欲しい!ドラムはオマー・ハキムだよ。
言えばよかった 1998
アルバム『SMAP 012〜VIVA AMIGOS!』収録
ギターもベースもリフがかっこよくて、それが混じり合うことでまたかっこよくて、聴くたびにやけます。間奏の「All I want to say is I love you」ってコーラスを本人ではなくプロが入れている感じがSMAPらしい贅沢さ。ひとつだけ注文するなら中居さんの喉の調子が良い時にレコーディングしてほしかった、ここだけ笑っちゃう(笑)
朝日を見に行こうよ(mellow session take) 1999
アルバム『BIRDMAN〜SMAP 013』収録(29thシングル)
原曲も素敵なのですが、あえてアルバムバージョンを。近年は稲垣さんのミュージカル(ジャズバンドの生演奏でとってもお洒落)も手掛けているジャズピアニストの佐山雅弘さんの編曲で、ジャズに振り切った大胆なアレンジになっています。徐々に盛り上げて感動的に終わったと思ったら、アウトロが1分半ありどんどん軽快に自由になっていくのが楽しい。フェードアウトになっていますが何分でも演奏していてほしい。
Fly(higher take)1999
アルバム『BIRDMAN〜SMAP 013』収録(30thシングル)
説明不要、SMAPでかっこいい曲といえばこれ。当時画期的だったギャング映画のようなショートフィルムもかっこいいし、コンサートのオープニングでオープンカーで登場して黒スーツで歌ったのもかっこいいし、50曲メドレーで後ろ向きでせり上がってきて歌ったのもかっこよかった。00年代は“国民的アイドル”の称号でメッセージ性の強い曲を歌うことが多かったけど、こういうダークな世界観がSMAPにはハマる。Flyを踊っているSMAPを観ると、これはきっとダンスが揃っていたら成立しないかっこよさなんだなと思います(笑)
らいおんハート 2000
32thシングル
バラードなのに基本打ち込み?でも洗練されていて安っぽくないし古くもならない、コーラスワークにSMAPらしさも感じる、不思議な曲。恋ではなく愛を描いたこの曲の前後で、大人アイドルとしてのSMAPの地位が確立したイメージがあります。でもリリースした時はまだ20代半ばだったことを思うと、随分早熟だし、方向転換が上手だったんだなぁ。
スタンドマイクでのダンスも大人っぽくて好き。
愛の灯〜君とメリークリスマス〜 2000
アルバム『S map〜SMAP 014』収録
冬の曲は少ないですが、これが一番好きです。北川悦吏子さん作詞、キリンジの堀込兄作曲、冨田ラボさん編曲という、異色の最強布陣。
ワクワクするようなイントロに
「今日は手も繋がないちょっと怒ってるのさ 街に出ればどうにかなるなんて僕も甘かったけれど」
の歌い出しだけで、クリスマスの光景が浮かんでくる。サビの変態的で美しいメロディも、突然南国風の陽気なギターが入ってくる間奏も、すごく変なのに素敵にまとまっていて大好き。
99年くらいから、コンサートのためのアルバムという感じが強くなり、バラエティ豊かになっていきます。それとともに“SMAPらしさ”もどんどん拡がっていってとても面白いです。続きは後編で。
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