リリスクの縦型MVはリリスクだから良いのだと主張したい
観ました?
リリスクちゃんこと、lyrical schoolの新曲『RUN and RUN』のMV。
まだ観てない方は、観てね。絶対スマホで観てね。
RUN and RUN / lyrical school 【MV for Smartphone】 from RUNandRUN_lyrisch on Vimeo.
アップされてから5日経った今の時点で、vimeoで92万回、YouTubeで17万回再生。合わせて100万超え!すごい!
ちなみに、昨年7月リリース『ワンダーグラウンド』のYouTube再生回数は6万回なので、たった5日で約16倍です。
色んなネットニュースに載ったり、ワイドショーで取り上げられたり、著名人がTwitterで言及したり*1、一般人もアイドル興味ないような人が観ていたり。
好きな人がバズってるってなんて嬉しいんでしょう!
MMSの受信から始まり、パスコードの入力、Twitterやメール、FaceTimeなど、見慣れたUIが次々と現れて、頭ではわかっていても自分のiPhoneがジャックされたよう、更に本物の通知とごっちゃになったりして、不思議な感覚になるMV。
素人でも、下準備を考えると頭が痛くなります。
散々言われていますが、このMVのすごいところを私も語りたい。
1.デメリットを受け入れる勇気
iPhoneやTwitterの機能やUIってコロコロ変わる。
今めちゃめちゃ新しく感じるこのMVは、2年後にはきっと懐かしさを覚えるものになっているだろうし、もしかしたら1ヶ月後そうなるかもしれない。画面の比率すら変わるかもしれない。でもそんな刹那性があるからこそ、新しさの印象も強くなる。新しさと古くなるスピードは背中合わせなのだ。
それに、iPhone以外の携帯を使っている人や、たまたまPCで観た人は楽しめないかもしれない。vimeoの方がブラウザで観た時に画質が良く意図が伝わりやすいということで、vimeoでの視聴を推奨されていますが、YouTubeではないことでためらう人もいるかもしれない。でも実際はvimeoでの再生回数の方がYouTubeを大きく上回っていて、SNSやニュースサイトを経由して、狙い通りに伝わっていることが分かる。
こういう判断って、メジャーなアーティストだと結構難しいんじゃないかと思う。「アート」は普遍性を求められがちだし、縦型に関してはテレビで流すのには向かないし、色んなファンがいるし、機会損失の可能性も十分ある。まだまだ知名度が低く、多少の機会損失よりも少しでも遠くへ届くことが大事な、リリスクのメジャーデビュー曲だからこそ出来たはずだ。
2.アイデアとバリエーション
アイデア勝負のMVって、インパクトは強いけどアイデアが分かった時点で飽きられがちでもある。自分を含め、現代っ子は本当に飽きっぽい。
その点、このMVは次々にアプリが切り替わり、感覚的に見慣れた画面ではあるけれど何が起きているか理解は出来ないまま進んでいくのが良い。同じTwitterでも、入力画面、ツイート、通知画面、動画ツイート、その動画の作り方もバリエーションがあるし、パネルを使ってアナログに見せるところもあって、全く飽きない。2回以上観た人も多いんじゃないかな?
パネルを使ったところも上手いなぁと思った。明かりを消したり、アナログ感をちょっと入れただけでスキが出来て親近感が生まれるし、より複雑になって観いてる時の混乱も増した。もちろんやり過ぎるとデジタルなカッコよさが損なわれるし、バランスが大事。
アイデアの斬新さで記憶に残るMVといえばサカナクション『アルクアラウンド』ですが、あれも、最初はスタンドの文字で通す予定だったのを、紙芝居とか水槽に文字を落とすのとか、違う手法も加えたことで飽きの来ないMVになったと聞いた。話題になるものと、繰り返し観たくなるものの分かれ道ですね。
3.曲とアーティストと映像のマッチング
身近で健康的な可愛さが魅力の女の子グループで、でも普段からグッズやアートワークがかっこ良く*2現代的なリリスクの存在。明るいヒップホップのテンポ感。これがあるからこそこのMVは成功したんだと思う。
メジャーアーティストが似たようなことをやってもリアリティがなかったり安っぽくなりそう。それに、違う曲調でこの手法を使うとすると、ずっと画面のUIだけで表現するには間延びしそう。リリスクがハマりすぎて違うやり方が想像つかないけど、次に同じ手法を使う人がどうやってこれを超えてくるか、とても楽しみ。
「縦型MV」として話題になったし、実際縦型で作ることを考えた結果こうなったそうだけど、なんか本質は違うところにあるかなーと思いました。別に、これから縦型のMVが増えるとも思わない。スマホ視聴に特化とか言うけど、スマホ横にすれば良いだけだし。
縦型MVというわけではないですが、私が思い出したのはこのMV。縦画面にして縁をつけるだけで、動いているのに写真集の雰囲気になるのがとても新鮮だった。
映像がすごすぎて曲が入ってこないという声も聞こえますが、リリスク楽曲のクオリティは素晴らしいので曲も聴いてね。
大丈夫 想像して 楽しくなるはずって
大丈夫 想像して きっと楽しくなるって
ってとこ、すごく良い。これはAKB48で言うところの恋するフォーチュンクッキー、SMAPで言うところのJoy!!(そしてAmaging Dicovery)だ。つまり最高のアイドルソング。
提供陣にはtofubeatsやKICK THE CAN CREWのLITTELEがいますが、今回の作詞はマネージャーもしている(!)岩渕竜也さん。ニュースサイトには「新人アイドル」なんて書かれていましたが、メジャーデビューするとはいえ既に結成6年目でメンバーチェンジも複数回あったグループ。ずっと近くで見てきた人の歌詞が響きます。
lyrical school「FRESH!!!」-0705VANDAレコード大宮ステラタウンLIVE-
これはtofubeats提供。MVも良いけど、ライブで踊ってるリリスクが楽しくて可愛くて好きだ。
発売週の5月頭までフリーライブいっぱいあるよ!
リリースは4/27。
若干間が空くけど、売れろーーー!
インスタフォローすると幸せになれると思います。
ceroとSMAPとわたし
遅くなりましたが、皆様ありがとうございました…!
スマスマでライブ。
たくさんの人に「おめでとう!」「よかったね!」と言ってもらい、何もしてないのに何か成し遂げたような気分。予告があってから半月くらい、ずっと夢を見ているみたいで、落ち着いたらもうこんなに日が経っちゃってた。
けどceroとSMAPの一番の兼ヲタを自負しているので(笑・でも意外といっぱいいます)、久々にブログにまとめる!
はじまりはここから。
今号のオリスタで、香取慎吾さんが「最近よく聴く音楽はcero」とおっしゃっている…!「『マクベス』がお気に入り。小沢健二やスチャダラパーを彷彿とさせる歌モノで、聴けば聴くほど気に入っている」そうです。
— 彩ちゃん (@aya717) 2015, 10月 24
雑誌のインタビューで香取さんがceroを聴いていることがわかり、びっくり。
しかも、最近の人気曲じゃなく、1stアルバムのマイナー曲(でも静かで壮大で美しい曲です)『マクベス』がお気に入りなんて(笑)
ceroのファンからたくさん反応があって、髙城くんにもRTされて嬉しかったな。
それから2ヶ月ちょっと、今年のceroの仕事始めがスマスマ収録だったらしい。
察せるわけない(笑)
ここだけの話、スマスマ収録したらしいという噂は聞いていたのですが、スマスマのS-LIVEといえば毎回超豪華なセットで国内外の有名アーティストがSMAPとコラボするコーナー、たまにバンドや若手がいてもタイアップなどで売れた曲があるのが当たり前。いくら香取さんがファンで最近ライブ動員も伸ばしているからといって、ceroくらい無名なバンドが出たことなんて聞いたことがなくて(笑)
でもね、不思議なことがあるものです。
所属レーベル、カクバリズムのニュースもアツい。角張さん最高。
時が江戸時代だったら・・・(笑)、号外を空に巻き、騒ぎ立てながら街中を走って
いたかもしれませんね(笑)。そうです!そうです!cero、SMAPxSMAP、通称スマスマのS-LIVEというコーナーに
出演でございます。わい!わい!わい!
cero、テレビには過去色々出演させてもらってますが、地上波で演奏ってのは
実は初でして、その地上波での初演奏がceroもカクバリズムスタッフも大好きな
SMAPと一緒ということで、嬉しい限りです!!!FLY(関係ないです)!!!(中略)
''Summer Soul''を演奏してます!これがまたSMAPとの相性ぴったりでして・・・とても
素敵な演奏になったと思います!カクバリズム ニュース:cero、3月7日放送のSMAPxSMAPに出演!!!S-LIVEに初登場です!オオッット!!!!
どちらも好きな身としては相性は絶対良いとは思っていたのですが、どちらのファンにもここまで大好評なのが予想外で、すっごく嬉しかったです。
最近のceroの曲は、ラップというか、喋るように歌う曲が多くて難しいので心配していましたが、杞憂でしたね。SMAPも昔からラップ曲多くてみんな結構上手いし、『星空の下で』みたいなスローテンポの曲も歌いこなしてる。特に木村さんが歌うと一瞬で自分の曲みたいになってて、すごいなぁと。
それに、Summer Soulのリズムじゃ踊れないだろうなと思っていたけど、半分フリーな感じで、フリが付いているところも意外と違和感がなくて、何より大好きな人達の曲でSMAPが踊ってくれているのがとっても嬉しかった。
それから、ちゃんと2組対等な「コラボ」になっていたのがすごくよかった。白にグリーンのセットにいる白い衣装のceroの元に、SMAPが外から入っていくところなんて、主役はちゃんとceroだけどSMAPはそれだけで格好良かったりして、素敵でした。
そして、これは誰の曲をやってもだけど、どんなジャンルの曲でも、そんなに派手じゃない曲でも、SMAPがユニゾンで歌えば一気にポップネスを得てSMAPの曲になるのが素晴らしい。先にceroくらい無名なバンド出てるの見たことない、とは言いましたが、SMAPは昔から色んな方とコラボしているし、有名ですが楽曲提供は知名度やジャンルに関わらず幅広い方が手がけています。
小沢健二がサブカルチャー側からメインストリームへの風穴を開けた存在だとしたら、メインストリーム側からサブカルチャーへの風穴を開けたのはSMAPだった。
−宇野維正『1988年の宇多田ヒカル』より
という評にはすごく納得。ここ2年だけでも、MIYAVIやゲスの極み乙女、椎名林檎、LEO IMAI、SALU、tofubeats、Koji Nakamura、凛として時雨など。過去にはサカナクション、電気グルーヴ、中田ヤスタカ、相対性理論、もっと遡ると、FISHMANSやKIRINJI、忌野清志郎なんかも。
かつて木村さんは謙遜するように「自分たちは作品を世の中に届ける役割」というようなことを言っていた記憶があるのですが、色んな方に楽曲提供されて、スマスマという場で毎週ゲストの歌とオリジナルの振付を覚えて一流ミュージシャンと向き合ってきた彼らは、そんなにネガティブなニュアンスではなく、日本の音楽界で立派にその役割を担っていると思うのです。
バラバラの歌声ゆえに合わさると素晴らしいユニゾンと、上手くはなくてもしっかり感情を込めることのできる表現力が彼らの武器で、その歌声があればどんな曲もスタンダードなJ-POPになる。どんどん色んな方と組むことで、彼ら自身の器を大きくするのに伴って、相手の格を上げることにも貢献してきた。
そしてそんなSMAPをスマスマスタッフが信頼しているからこそ、ceroとのコラボが実現したのではないかと思います。SMAPと一緒なら無名なバンドもちゃんとテレビ出演に相応しい存在に見える、知られていない曲もお茶の間に届く。ゲストを立てるバランス感覚も全員が持っている。そして、ゲストの知名度に頼らなくても番組が作れるというスタッフの自信や余裕と。きっとceroとやれば面白くなる、とスタッフが直感を信じてくれたんじゃないかと思う。良い番組です。
SMAPのファンは、90年代のSMAP曲や、2000年代前半のSMAP曲を例に出しながら、SMAPとの親和性の高さにとにかく「楽曲提供して欲しい!」という声が多かった。
最近のSMAPは椎名林檎提供の『華麗なる逆襲』やMIYAVI提供の『Top of the World』『Otherside』など、強くて格好良いイメージの曲が多かったので、このタイミングで敢えて『freebird』や『セロリ』のみたいに力の抜けた曲があるといいなぁという方も居て、すごく良いアイデアだと思いました。是非!
ceroのファン目線で言うと、後ろの4人はファンにはお馴染みのサポートメンバーなのですが、薄い顔のメンバーに対して個性的な顔と髪型揃いなので愛着を持って「妖怪たち」とか言われてまして(笑) その妖怪たちがセットの大量の柱で絶妙に隠されていたのがすっごく面白かったです。でもなぜかドラムの光永さんだけ抜かれるという。ちゃんとこの7人で出れてよかったなぁ。
それからエンドトーク。
元々本放送ではカットされてしまうことも多くて、星野源あたりからちょっと長くなったような気がしたんだけど解散騒動後またほとんど流れなくなってしまっていたので、まず放送があったことが本当に嬉しかった。ここはちょっと箇条書きで私的興奮ポイントを。
- 中居さんがよく言う「誰ですか?」に食い気味で「ですよね!」って応える髙城くん
- 「香取さんがceroがいいって言ってくださったことがあったみたいで」と言われて無言の香取さんが、ほんとにファンなんだろうなという感じ
- 稲垣さんが「90年代の音楽、渋谷系みたいな、コーネリアスさんとかオリジナルラブさんとか」(さり気なく香取さんも「シティポップとかね」と)「この雰囲気はすごく好き」とコメントしてくれたのがすっごく嬉しかった!FISHMANSが好きで佐藤さんに曲提供してもらっていたり、ライブでCardigansのカバーを歌っていたりする、音楽好きな稲垣さんは絶対に好きだろうと以前から思っていたので、こんな形で感想を聞けるなんて。
- それを受けて中居さんの「(稲垣さんは)好きだよね、どっちかっていうと湘南乃風みたいのが苦手で」に対して笑うだけの稲垣さん。これ、別に湘南乃風を貶している感じにもなっていないのがすごいなと思った。確かに吾郎ちゃん苦手そうだ〜って、視聴者みんな納得しそうなの、すごいキャラ立ち。
- そうやって、「誰ですか?」という中居さん、ファンだという香取さん、(おそらく)知らなかったけど好きだという稲垣さんがいるバランスがすごくSMAPらしくて良いなぁと思った。ゲストを立てつつ、視聴者も必ず誰かに共感できて置いてけぼりにならない。
- そして中居・木村の文化祭エピソード…!これはむかーし木村さんがラジオで話していたそうなのですが、中居さんもいる時に話すのは初めてじゃないかな。「文化祭でファンの女の子が集まりすぎて、(先輩に目をつけられたため)二人で2階の教室の窓から逃げた」という、「漫画みたい!」とファンが言っていたエピソードを本人たちの口から「青春って感じ?」「漫画みたいでしょ」と。そして下を向いて照れるリアクションが同じ。。
この二人が高校の同級生同じクラス隣の席で同じバスケ部、一緒に合格発表を見に行ったりクリスマスに逆ナンされに原宿に出たりダブルデートしたり二人で車移動する時に聴くカセットテープを中居さんが毎回作ってきたり…という仲なのはファンになってみんなびっくりするところ(気になったかたら「つとぷ」で検索してね)
…と、脱線しましたが、ファンにはたまらないエピソードなので、スマスマ準レギュラーになってもっと色々聞いて欲しい!という方や、これを聞いてくれた感謝の気持ちでceroのCD買う!という方もいるくらいでした(笑・もちろん曲も気に入ってくれたんだと思うけど) - 最後、「ハッカー集団に見えてきた」と言われてちょける橋本くんの可愛さ…!
ところで、Twitterではちょこちょこアピールしていましたが、ceroは過去に何度もSMAPに言及しています。
ceroあらぴ、SMAP/しようよについて「聴いた当時、自分も大人になったらこういう恋愛をするんだろうと思っていたけど、大人になって改めて聴いてもまた同じ感想であこがれを持つ。じいちゃんになってもきっとそう。優れたポップスとはそういうもの」 #ナイドリ
— 彩ちゃん (@aya717) 2015年3月31日
つづき「まばゆいよね、宝石のようなポップス。神様が授けたような曲だよね」「こないだスタジオライブの動画観たけどほんとかっこいいね!思わず泣けてきて」「90年代のSMAPの曲って本当によく出来てて、解析したいんだけどどの曲も良すぎてやる気が失せるっていう」 #ナイドリ
— 彩ちゃん (@aya717) 2015年3月31日
これは毎週月曜24:30〜inter fmで放送中のceroのラジオでの発言。このラジオは毎回3人が一曲ずつ選曲する番組で、この時は「深夜のドライブ〜Spring Collection〜」がテーマだったんですが、まぁ番組自体がドライブをテーマとしているのでほとんどフリー(笑)でも、大体私の知らない海外ミュージシャンの曲が選曲されることが多いので、この日は驚きました。
キーボードの荒内くんは若い時の稲垣さんに雰囲気が似てるなぁと勝手に思っているんですが、曲の解説が上手なところもその理由のひとつで、この時もすごく素敵な紹介だったので印象に残っています。
ボーカル髙城くんは「SMAP 逸話」で検索して暇をつぶしているらしい。それで文化祭エピソードを知っていたんですね。あとは、いつかのCOUNTDOWN JAPANのMCで橋本くんが来年の抱負を「TOKIOと対バンしたい」と言って、髙城くんはSMAPが良いと言っていたとか。
キムタクの「格好いい」というコンプレックスをバネに何でもまじめに取り組んでく姿最高にかっこいい
— 橋本翼 (@windows_kun) 2014年7月27日
ギター橋本くんはこんな発言も。何気ないツイートだけど、木村さんの本質を突いたような言葉でファンとして嬉しい。インタビューで「昨日SMAPのベスト聴いてて」って話していたことも。
昨年の「TOKYO M.A.P.S.」というイベントに出演した際には、なぜか髙城くんが「TOKYO SMAP」と言い間違えたのですがそれを気に入り、「TOKYO SMAPは俺たちだ!…芋臭いSMAPだなぁ」と言ったり、メンバー紹介を「サックス・パーカッション、木村拓哉!」と言ってみたり、曲紹介で「俺たちに明日はある。Yellow Magus!」と言ったりしていて、ひとり喜んでました。
その後、メンバーや関係者界隈でしばらくその言い方が流行ってTwitterで自称してたり、橋本くんが自分のサインに「TOKYO SMAP」って書いてたなんてこともありました。
そしてこちら。
デビュー前の映像だし、いつもと全然違うアレンジでコントみたいなステージなのですが、後半のオリジナル曲「なんだかんだ言っても」が明らかにSMAPのパロディ。歌って踊ってます(笑)
ドラムは元メンバーの柳くんなのですが、彼はイラストレーターとしての仕事が多忙になったため脱退、村上龍の装丁を手掛けているなど活躍していますが、今もceroのアートワークに関わったりしています。ラジオで彼のことを「ceroの“森くん”」と言ったことも。
ceroのファンはcero自身がSMAPを好きなことを知っていたし、スマスマに出れるだけでびっくりということもあって、みんな楽しく観ていたと思います。
SMAPのファンは毎週のことだし基本的にコラボ相手に好意的なのですが、曲自体が良かったことやトークの内容に加えて、ceroのファンも好意的に観ていたことがとても嬉しかったみたいで、すごく良い雰囲気でした。普段は「SMAPいらない」って言われること多いからね(笑)
そんなことも含めて、とっても幸せな時間でした。
最後に、これが本当は一番言いたかったのですが、90年代にジャズ・フュージョン系の海外ミュージシャンを起用し贅沢な楽曲作りをしていたSMAPの音楽性は、最近「exotica(ceroのe)」というよりブラックミュージックに傾倒している*1ceroととても近いものがあるのです。
そもそも私がSMAPを好きになったきっかけのひとつは、ceroが新しい編成で方向性を変え、『Yellow Magus』を披露した時の第一印象が「昔のSMAPのアルバムにありそう!」と感じたこと、よく読んでいるヒコさんのブログでもSMAPについて言及されていて、おすすめされていた『SMAP 007〜Gold Singer〜』を聴いたらすごく格好良かったというのがあります。この頃から一部のceroファンはceroのことを「インディー界のSMAP」と呼んでいたり、いなかったり。
というわけで、cero好きな方は絶っっ対気に入るので、90年代後半のアルバム、具体的には006〜012(アルバムのナンバリング)をぜひ聴いてみて欲しいです。アイドルのアルバムなのに、ドラムとかホーン・セクションとか笑えるほどかっこいいです。そこに若くて爽やかな男子の声が乗るのがJ-POPの良さですね。普通のちょっと冴えない男が描かれる歌詞も大好きです。
特にオススメなのはこちら。
- アーティスト: SMAP
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 1995/07/07
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SMAPの音楽性を語る際に必ず挙げられる名盤。
『しようよ』『KANSHAして』『たぶんオーライ』収録。いかにもなアイドルソングがほとんどない、クールな感じなので、音楽好きにこそ聴いて欲しい。
『007』と並んで大好きなアルバム。FISHMANS佐藤伸治提供の稲垣吾郎ソロ、忌野清志郎提供の木村拓哉ソロ収録。ナイル・ロジャース提供曲があるかと思えば、香取慎吾・中居正広ソロはそれぞれ本人作のラップだったり。そして私がSMAPで好きな曲ベスト5には入る隠れた人気曲『Hi-Fi』も聴いて欲しい。ロックを中心にバラエティに富んでいるけど、捨て曲なしのSMAPらしいアルバム。
あとは普通にベストも良いし、『008』や『012』も大好きだし、2000年代以降も各アルバムに必ず大好きな曲があるし、最新アルバムも最高だし…キリがないですね。
スマヲタはceroたくさん買ってくれたので、ceroギャルはSMAP聴きましょう。
この2曲もSMAPと一緒に歌うところ観たかったなぁ。
cero / Orphans【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
幅広い人に伝わる曲だと思うし、聴けば聴くほど好きになる曲。
別の世界では2人は姉弟だったのかもね
クラスメイトと逃避行する曲です。
cero / Yellow Magus【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
先に書いた、初めて聴いた時にSMAPっぽいと思った曲。今聴くとなんでかよくわからないけど(笑)
ぜひぜひ聴いてね!
そして、ライブは頻繁にアレンジが変わっていくので、機会があれば足を運んでみてね。
願ってもいなかった夢が叶ってしまったので、どうかまた、「次」の夢が叶いますように。
MUSIC2014
2014年、よく聴いたものとか好きだったもの、薦めたいもの。
自分の好みが固まってきたのと、音楽に逃げることが少なくなったからか、例年以上に新譜を聴いた枚数が少なかった気がする。でも、読みたいと言ってくれる人もいるから書いてみます。
1.cero『Orphans/夜去』
年末の発売でしたが、3曲とも好きすぎてどうにかなってしまいそう。毎日聴きたい。
『Orphans』はギターの橋本くんがceroで初めて作曲した曲に、ボーカル高城くんが『夫のち○ぽが入らない』というエッセイに感銘を受けて書いた詞をつけたという、ceroの中で異色の作品。第一印象は『とてもポップで可愛らしい感じの曲だなぁ』と思ったのですが、聴く度に表情を変えていく、すごい曲だ。
別の世界では ふたりは姉弟だったのかもね
淡いラブソングのようで、映画一本分くらいのドラマが詰まっている壮大な曲とも言える。可愛らしさだけでなく、孤独もエロさもあって、高城くんのハスキーな声は更に想像を掻き立てる。一番と二番で、時間の経過とともにカメラが移動するように話者が変わる流れも美しい。
『夜去(ようさり)』はもうちょっとアンニュイ。動きの少ないメロディでアレンジも抑えめ、美しく拡がるコーラスはまさに夜が来た感じで、涙腺を刺激される曲。
LEDの雪が降る
という現代の風景を、美しい曲の歌い出しにできる高城くんは素晴らしい作詞家、というより作家と言いたいくらい。1stALとリンクしているのも楽しい。
『1つの魔法(終わりのない愛しさを与え)』は小沢健二カバー。静かで冷たい印象の『Eclectic』収録曲を、先の2曲よりもむしろ最近のceroらしい、ブラックなアレンジで。オザケンでシャウトする高城くん最高です。ホーンの”パパラッパ”のリフが優しくって大好き。ぜひぜひ3曲通して聴いていただきたいです!
2.SMAP『Mr.S』
ついにジャニヲタになってしまいました。というのはさておき。SMAPの曲は90年代の名盤『007』をはじめブラックミュージックの影響が色濃かったり、最近は有名ミュージシャンを幅広く起用していたりと、以前から好きだったのですが、このアルバムはその集大成とも言える内容になっていると思います。
まずリード曲の『Mr.S -SAITEI DE SAIKOU NO OTOKO-』がかっこよすぎる。
ミュージカル調の豪華なアレンジで、”shyでstraight” ”紳士で少年”といった二面性を持った”Mr.S”を描写していく。Bメロで4人のソロが次々入れ替わり、サビでユニゾンになった時の無敵感。そして中居くんのソロを挟んでまたユニゾンに戻る緩急が、まさに乙女心を揺さぶられているようで、今のSMAPに似合いすぎる、そしてSMAPにしか歌えない曲。
そしてお気に入りが稲垣・草彅の『DaDaDaDa』。こちらはさかいゆう提供曲の軽快なディスコチューン。
素知らぬような顔で 気のないフリして 本当は二人して そしてミラーボールが回り始める
4つ打ちの魔法に身をゆだねて
なんて、みんな絶対好きでしょ?笑 優しい声のふたりが歌っていて、ラップパートも新鮮。男版のアイドルラップはこれだ!という感じ。語感の良さも気持ち良い曲。
ゲスの川谷さん作のバラード『好きよ』も素晴らしい。この歌割り決めた人天才です。
1番ABメロ香取さん→サビ稲垣さん→2番ABメロ草彅さん→サビ木村さん→Cメロ4人逆順→大サビ中居さんと、異様にひとりのソロが長くて、それぞれの歌声の強烈な個性を堪能できる。
最初の香取さんの、父性すら感じる包容力に驚いた。そして稲垣さんの中性的な艶のある声。
2番はソフトな草彅さんのABメロと強い木村さんのサビで印象が1番と逆転するのも良いし、大サビで中居さんのハスキーな声が来るのは切なさ倍増。
好きよ、と繰り返すシンプルなラブソングながら、SMAPというグループの強さも感じる曲。
シングル『Joy!!』『Mistake!』が最高なのはもちろん、凛として時雨TK作の稲垣吾郎『Dramatic Starlight』をはじめ、ソロ曲の出来も良くて他の曲と見劣りしないし*1、Koji Nakamuraの宇宙っぽい壮大なダンスロック『Future』はSMAPに今までなかった感じだし、ライブを意識したアイドルソングも楽しいし、とても聴き応えのあるアルバム。
音楽好きにこそ聴いてほしい。
3.tofubeats『First Album』
『ディスコの神様』『Don't Stop The Music』『おしえて検索』といった既発曲が収録されているだけでも良盤が約束されていたアルバムですが、新録の歌モノもインストも捨て曲なしの18曲も収録(笑)普段は曲数多いアルバムは苦手なのですが、トーフさんの曲は聴いていて疲れることなく、すっと入ってくるので、気づけば聴いてることが多かったです。
森高千里、藤井隆、東京女子流・新井ひとみ、BONNIE PINK、PES他、豪華なゲストが参加していてもちろん素晴らしいのだけど、結局トーフさん本人が歌ってる曲が好きだったりする。パーティー感ある楽曲は大好きなのに、
すこしずつ急になる坂を登るのはつらくない だけど突然悲しくなる (『way to yamate』)
の孤独感にとても安心したりするんだ。
それから、『20140803』の“てゆか毎日”という歌い出しが好きで一番聴いたな。トーフさんは歌うの得意じゃないみたいですが、”普通の人感”というのは時にとても大切で、その辺のお兄さんぽい(失礼)彼の雰囲気のお陰で、おしゃれヒップホップもダンスミュージックも生活に寄り添う音楽として聴けるのかなと思います。
4.シャムキャッツ『AFTER HOURS』
これは”もっと評価されるべき!枠”です(笑)
『MODELS』と『AFTER HOURS』という大名曲が2曲も収録されているだけで2014年を代表するアルバムと言えるのでは。この2曲は絶対聴いてみてほしい。
『MODELS』は同棲カップルの曲。
なるべく長く続ける為にはちょっとした工夫もいるんだなんてことを
若いなりに彼は考えている
という一節から想像される、楽観も悲観もしない、ドライでもウェットでもない現代のカップル像。
そして、今となっては懐かしいあの空気を刻印*2した、
タモリがはしゃぎくだらなく午後が始まる頃
というフレーズ。
1番で彼のこと、2番で彼女のことを描いていて映像的なのはcero『Orphans』とも通じるけれど、こちらは第三者視点で、今この瞬間を切り取ったという印象が強い。
これがシャムキャッツらしい軽いギターロックに乗るのが最高に気持ち良いです。
『AFTER HOURS』は地味ながらも切ないメロディに、夏目くんの気だるくセクシーなボーカルがとても美しいです。みんなで遊んだ帰り道、冷たい明け方の空気がそのまま曲になった感じ。
ドライブに行くならBGMはこのアルバムにしたい。
5位以降はあっさり目にいきますっ
5.星野源『Crazy Crazy/桜の森』
「Crazy Crazy/桜の森」(初回限定盤)(DVD・スリーブケース付)
- アーティスト: 星野源
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2014/06/11
- メディア: CD
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とにかく『桜の森』が好きで好きで好きで。星野源流ダンスミュージック!何十回聴いてもイントロで心が踊る。
『Crazy Crazy』はフェスで聴いた時の爆発力がすごかった。思えば随分遠くまで来たのに、ちゃんと新曲を好きと思えるから星野源はすごい。
6.aiko『泡のような愛だった』
aikoのアルバムはいつも一曲目が素晴らしくて聴き始めた瞬間にやけてしまうんですが、今回の『明日の歌』は特に衝撃でした。
デビュー14年目かな?にして作詞方法を変えてみたとかで、ものすごく言葉が詰め込まれている。それが恋の切迫感と重なって、切なさとともにaikoのロックな部分が良い具合に出たアルバムになっています。
7.lyrical school『FRESH!!!』
正直最初に聴いたときピンと来なかったのに(愚かすぎる)、これもライブでの爆発力がものすごくて、tofubeats最高ー!(by meiちゃん)って感じです。
ラップをするのは楽しいです!
から始まるハッピーな高揚感から、コール&レスポンスが捗るフックと緩急の連続。ファンが参加して完成するように作られたアイドルソングは素晴らしい。
8.婦人倶楽部『FUJIN CLUB』
婦人倶楽部は、2012年のベスト4に挙げたカメラ=万年筆の佐藤望くんがプロデュースして、佐渡の主婦が歌うユニットです。意味が分からないと思いますが、曲は台湾の風味のする渋谷系キラキラおっしゃれサウンドです。矢野顕子の伊勢丹曲と双璧をなす、三越曲。
2曲目『しまうた』はCorneliusの手掛ける「デザインあ」の佐渡バージョンという感じ。
3曲目『家事の音楽』はくるり『THE PIER』の1曲目『2034』が好きな方はきっと好きなはず。
ジャケは川島小鳥さん。もう在庫がないみたいなので、気になる人は急げ!ループしても飽きないのでお買い得だよ。
9.王舟『Wang』
優しく穏やかな声と気持ちの良いメロディラインはそのままに、サウンドがものすごく垢抜けてびっくり。陰から陽へ。このジャケットがぴったり似合う爽快感。
それにしても良い声…
10.矢野顕子『飛ばしていくよ』
若いトラックメーカーを多数起用しているんですが、無理してる感じやイタさが微塵も感じられないのが、恐ろしいほど素晴らしい。パワフルな矢野顕子が若い才能から更なる推進力を得て、別次元へ。
勢いのありすぎる表題曲『飛ばしていくよ』も大好きだけど、BOOM BOOM SATELLITESがトラックを制作したラスト『Never Give Up on You』の重厚なカッコよさは何度聴いても涙ぐんでしまうほど。
というわけで以上10枚です!
聴いてみてね。
過去のやつも恐る恐る貼っておく。
MUSIC2013
日本一遅い2013年自分的ベストアルバム紹介。
1.私立恵比寿中学「中人」
衝撃的に良かった。正しくアイドルポップの範疇にありながら、個性的で存在感が強い曲が揃っている。とはいえ程よく力を抜くところもあって、通して聴きたくなる収まりの良さもある。普段好きなアーティストのアルバムを聴いて、多少の違和感があっても色々理屈を並べてなかったことにすることが往々にしてあるけど、そういうのが馬鹿馬鹿しくなるほどに手放しで良い。好き。
中でも『誘惑したいや』は去年のマイベストソング!めちゃくちゃ聴いた。
今を生きる10代の一生懸命さを感じさせる速めのビートに扇情的なストリングスが乗って、きゅんきゅんしすぎて涙腺が緩む。
「私はあなたの目で飛んでいけるわ」
女子!
この曲もそうだけどほとんどの曲が普通の10代の悩みや叫びや日常を歌っているのも良いと思う。そして歌声も曲に負けずに本当に良くって。
9人という多めの人数は歌詞の「普通の10代女子」感に説得力を持たせてくれる。でもそれぞれの個性もはっきりしていて、特にぁぃぁぃと安本さんと美怜ちゃんがいることで楽曲がすごく締まると思います。
ぁぃぁぃに関してはアニメ声ももちろんだけどカッコいい方の歌い方がすごくて、曲の色を一瞬で変えるくらいの力がある。くどいくらいで最初は苦手だと思ったのに、9人の中だとちょうど良く輝いてハートを底から動かしてくれるから、良いグループだなぁと思わされる。ぁぃぁぃの他にもりななんやひなた、真山と低中音域をカッコ良く歌えるコが揃っているのも良い。(そしてそういうコがいても疲れないのは瑞季やなっちゃん、ひろのさんがいたからであり…転校残念すぎる)
それから、YMO『体操』のカバーや同じくYMO『増殖』におけるスネークマンショーを思わせるコントなんかのインタールードが収録されているのが、サブカル心をくすぐられる。インタールードは何度か聴くと邪魔になることも多いけど前述した声の個性が活かされているから全くそんなことがないし、個性の強い楽曲が並ぶ中で良い箸休めになると同時に、アルバムに統一感ももたらしている。
文句なしのナンバーワン!
2.ふくろうず「テレフォンNo.1」
以前こちらに(http://aya717.blogspot.jp/2013/12/no1.html)書きましたが、やっぱり内田さんの作る曲と詞と内田さんの歌声が大好きなんだ。ミニアルバムなのにずっとリピートして聴いてました。どんなに好きになったアルバムでも何度も聴くと新鮮味が薄れて聴き流すようになってやがて聞かなくなってしまうけど、ふくろうずに関しては何度聴いてもその度にだいすきだなーって思ってる。
必然も偶然も終わっちゃえば意味無いじゃん。
今年こそ売れろっ!
3.サカナクション「sakanaction」
なんだかんだで大好きなサカナクション、6枚目のオリジナルアルバムで、初のセルフタイトル。前作は万人に薦めやすいバランスの取れた作品で、その後「僕と花」「夜の踊り子」「ミュージック」「Aoi」と大型タイアップが続いてそれに伴いメディア露出も増えたということで、どんどん一般受けを狙っていくのかなと思いきや、ポップな面は既存曲に任せて結構攻めた印象の面白いアルバムだった。やっと立ち回りやすい地位に来たということなのかな。
「なんてったって春」の言葉遊びというか、響きの面白い歌は、久々にわたしの好きなサカナクションらしさを出してもらえた感じ。歌詞のインパクトの分アレンジは抑えめな印象だけど、後半の自然な盛り上がり方とか、本格的なクラブミュージックっぽくて楽しい。
クラブ寄りな前半からアルバム後半はフォーク寄りの曲が並んでいて、今のわたしの気分はこっちのサカナクションだなぁと思う。
特に「ボイル」の畳み掛けるような、息遣いを感じる歌唱は今までになかった感じでとても好きだ。
4.tofubeats「lost decade」
『水星』でプチブレイクして、一昨年わたしも印象的だった曲のひとつに挙げたtofubeatsですが、こんなにも彼の名前を聞くようになるとは思っていませんでした。なんだか嬉しい時代が来た!
でもカッコつけてなくてヤンキー的なヒップホップとか抵抗ある人でも聴きやすいってことで言えばある意味イメージ通りで、門戸を全開にしてくれている一曲目。
アルバム前半はテンション高くポップな曲が続いていて、特に『Les Aventuriers feat.PUNPEE』が大好き。PUNPEEはいかにもないかついラップなんだけど、歌詞は学生生活を懐かしみつつ大人になってから意外とクラスメイトと仲良くなったりして悪くないよねーみたいな爽やかでちょっとキュンとして万人が共感するところがあるもので、とても素敵なのです。そして次の『Fresh Salad feat.SKY-HI』ではトラックもいかつさを出してくるど、この頃にはすでにいかつさにも抵抗もなくなっているという流れ。というかSKY-HIってAAAの人だと最近気づいてびっくりしました。
M6を繋ぎにM7からはちょっと落ち着いた曲やシリアスな曲。どれも派手さはないけどかっこいいんだー。『No.1 feat.G.RINA』聴くとm-floを思い出すよね。やっぱりシングルの『夢の中まで feat.ERA』『水星 feat.オノマトペ大臣』が良いです。そして『LOST DECADE feat.南波志帆』の最後の曲っぽさも最高。
無理なくテンションが上げられるので外出する時iPodで迷ったらコレって感じで再生してました。
5.泉まくら「マイルーム・マイステージ」
女性ラッパー…ではなくて、「ラップをする女の子」らしい。たしかにそちらの言葉の方が良く似合う泉まくら。ロリ声で、独り言や鼻歌の延長線上にあるように聞こえるラップは、しかし気持ち良くトラックに乗っていて、誰かにやらされているとかではないちゃんとしたラッパーなんだなと分かる。
歌詞はすごく生活感が溢れていて、聴いていると自分も恋愛至上主義な女子みたいに切なくなれる。
”失恋休暇とやらが取れるらしいので早速2連休中です”(『ワンルーム』)って歌い出しのインパクトとかすごいなぁと思う。そして ”触ったことのないプレステだけど置いてったんなら貰おう”と続くこの生活感。
”いくつかの角曲がるたび ちゃんと君を振り返れば良かった さよなら”(『君のこと』)っていうところも好き。
美しいトラックにかわいいけれど生々しい湿ったラップが乗るテンションがちょうど良くて、出掛けるときによく聴いてます。EVISBEATSやFragmentなど多彩なプロデューサー陣が参加しているので、バリエーション豊かで聴き応えもあるアルバム。
6.青葉市子と妖精たち「ラヂオ」
ラジオで放送された青葉市子、坂本龍一、小山田圭吾、U-zhaan、細野晴臣による豪華すぎるセッションの音源化です。試聴するだけのつもりで聴いて、一瞬で打ちのめされて購入を決めたアルバム。
このメンツを見ただけで素晴らしくないわけないのですが、”妖精たち”は決して前に出過ぎることなく。坂本龍一の雪のようなピアノと小山田圭吾の風のようなギター、それからU-zhaanの不穏なタブラの響きは、青葉市子の母のような魔女のような歌声の魅力をを引き立ててくれる。一方で細野晴臣と共演した曲では少女のよう。普段のシンプルな弾き語りよりも、音が広がることで彼女の凄さが解りやすくなっていると思います。
選曲的にも、ファーストアルバムから最新アルバムまでバランス良いだけでなく、Cornelius「STAR FRUITS SURF RIDER」や細野晴臣「悲しみのラッキースター」、「Smile」のカバーも収録されているので、青葉市子ってどんな人だろ?って方にはすごくオススメです。
動画は最新オリジナルアルバムに収録されているカバー曲でこのアルバムと違うんですが、素晴らしいので貼っちゃう。
7.lyrical school「date course」
まずこのジャケの素晴らしさ!惚れ惚れします。Twitterで何度も言っているけど、リリスクのアートワークは本当に良い。
インタールードを除いた10曲のうち半分の作詞・作曲・編曲が今をときめくtofubeatsによるもの。他の作家陣も、イルリメ、okadada、Fragmentなど手堅いので、音楽ファンはそれだけで聴く価値ありです。
なので一曲一曲のクオリティは高いのはもちろん、複数の人が関わっているにも関わらず通して聴いたときのまとまりの良さがこのアルバムのすごいところ。タイトル通りデートがテーマになっていて、アルバムの中で恋の始まりと、失恋、そして失恋から立ち直るところまでが描かれている。
□□□が昨年リリースした「JAPANESE COUPLE」も同様の構成だったけれど、あちらはオムニバスの短篇集のような印象だったのがこちらは主人公像がはっきりしていてブレないのが良い。後半の失恋の曲で、楽しかった頃を回想するようにアルバム前半の曲のモチーフが散りばめられていたり。そしてもちろんその主人公はリリスク自身で、親しみやすいリリスクの雰囲気が反映された、ごく普通の女の子だ。
(ちなみに、最近よく聴いている90年代SMAPの楽曲についても同様の感覚がある。提供曲のラブソングでこれだけ本人とシンクロして聞かせられるってまれな気がするし、強い。)
「リボンをきゅっと」の”今夜恋愛ごっこしない?もう彼女でいいんじゃない?”ってフレーズがとても好きです。でもそれ以上に「でも」「P.S.」「ひとりぼっちのラビリンス」の失恋三部作がたまらないです。さっきはラップがこなれてないなんて書いたけど、こういうシリアスな曲でサムくならない表現力はさすがだと思う。
なんかもう順位決められないのでこのへんで。
あとは
さらうんど「New Age」(素晴らしかった前作に勝るとも劣らない内容)
片想い「片想インダハウス」(せつない。シンさんの歌声は誠実だ。)
Perfume「LEVEL3」(シングルと「ふりかえるといるよ」が良すぎ)
星野源「Stranger」(ずっとライブなかったのが痛いけど良いアルバム。「ある車掌」大好き)
KANA-BOON「僕がCDを出したら」(歌声が気持ち良いしバンドのバランスも良いし曲も粒ぞろい。高校生の頃に聴きたかった感じ。)
ももいろクローバーZ「5TH DIMENSION」(アルバム全体としてちょっと疲れる感じになっちゃってるけど、好きな曲は多い。「5 THE POWER」と「灰とダイヤモンド」が良すぎる)
きのこ帝国「ロンググッドバイ」(アンニュイさは残しながら霧が晴れたような表題曲が最高)
などなど。